「うめきた公園」のアートのテーマは『クリエイティヴな風』です。創造力を掻き立てる爽やかな風が公園 のアートから湧き上がり、グラングリーン大阪を包み込むことをイメージしています。パブリックスペースにアートを設置するには様々な要素を考える必要があります。「うめきた公園」が大阪駅に直結したパブリックな公園であることは最も重要な要素です。あらゆる人々が 訪れる場所ですから老若男女そしてお子さんにも安全に楽しんでいただけるアートにしなくてはなりません。アーティストの名前を知らなくても美しい、面白いと思っていただけるようなアートを作る必要があります。さらにこの公園を作った人々の思いをアートで表現することも重要です。想像力が養われたり、未来への希望が湧いてきたり、クリエイティヴな気分になったりすることを考えてこの公園が作られたのですからアートを眺めたり、触ったりしているうちにそうした思いが湧いてくることを考えました。さらに彫刻が置かれる場所や形状を考えるにあたり、公園設計者と綿密に話し合い、公園の起伏、景観、四季の花々の色彩を考 えて彫刻を選びました。
・遊歩道と緑の芝生にはイギリス生まれのケイト・トムソンによる白い大理石製の彫刻を設置しました 。見るだけでも美しいのですが触ることはもちろん座ることもできます。
・VS.前にはオランダで活躍するラム.カツィールの彫刻を設置しました。グラングリーン大阪に集うビジネスマン、女性、男とも女とも取れる若者たちが夢でつながっている作品です。鏡のように磨かれた彫刻と並んで写真を写してみてはいかがでしょう。
・花が溢れるエリアには花々とシンフォニーを奏でる陶器の彫刻を設置しました。アメリカ在住の画家 で彫刻家の金子潤による作品です。大きな陶器に抽象絵画が描かれている作品は季節ごとに変わる周囲の花々と共鳴します。
「うめきた公園」のアートを末⻑く楽しんでいただけることを祈ります。
アーティスティック・ディレクター 清水敏男