現代中国は急速な変貌を遂げつつあります。コンピューター、ハイテク、大都市の高層ビル、自動車、地下鉄、マスメディアがハイスピードな都会生活を演出し、人々のエネルギーを新しい世紀へと導いています。
そうした変化にともない中国では数多くの芸術家が新しい表現に挑戦しています。近年ではそうした中国人作家の才能がひろく世界各地で認められるようになりベニス・ビエンナーレをはじめとする国際的展覧会に不可欠な存在となっています。
新しい表現の中で現在もっとも注目されるのは写真とビデオです。
現代中国は欧米や日本とおなじく映像が日常の隅々にまで浸透し、映像なしの生活は考えられません。そうした環境で育った若い世代の人々にとって映像はもっ とも身近な表現媒体となっています。彼らの作品に共通して見られる特徴は、数千年に及ぶ重厚な中国文化の歴史と現代的生活感覚の不思議なカクテルであると いうことです。
今回の展覧会では北京の写真家を中心に手製の写真雑誌『NEW PHOTO』を発行しているグループの写真家、ビデオ作家を紹介しました。なお本展覧会のタイトル”From Inside the Body”(『体のなかから』)は本展覧会参加作家のうちもっとも若い徐震 (シュー・ジェン、上海在住)の作品のタイトルから取られました。自分の感覚にしたがって、歴史と新時代が交錯する中国を生き延びる新しい世代を象徴しています。
出品作家:洪磊(Hon Lei)、榮榮(Rong Rong)、劉錚(Liu Zheng)、荘輝(Zhuang Hui)、趙半狄(Zhao Bandi)、鄭国谷(Zheng Guogu)、王勁松(Wang Jingsong)、Feng Quiang Yu、趙亮(Zhao Liang)、徐震(Xu Zhen)