EXHIBITION

クリエイションの未来展 木村恒介「光素(エーテル)の呼吸」

開催概要

名称:
「クリエイションの未来展」第1回 清水敏男監修「木村恒介展-光素(エーテル)の呼吸-」
期間: 2014.09.04(Thu) - 2014.11.24(Mon)
会場: LIXILギャラリー
住所: 東京都中央区京橋3-6-18 東京建物京橋ビル
企画:LIXILギャラリー
制作:株式会社LIXIL

アーティスト

内容

LIXILギャラリーは2014年9月より、新企画「クリエイションの未来展」を開催します。日本の建築・美術界を牽引する4名のクリエイター。清水敏男(アートディレクター)、宮田亮平(金工作家)、伊東豊雄(建築家)、隈研吾(建築家)を監修者に迎え、それぞれ3ヶ月毎の会期で、独自のテーマで現在進行形の考えを具現化します。

 

「クリエイションの未来展」の初回は、アートディレクター清水敏男監修のもと、若手アーティストの木村恒介の展覧会を開催。
本展では、巨大なミラーを使ったインスレーション作品1点を含む新作4点を展示。
目に見えている現象は果たして真実なのか、ふと疑う時がある。視覚にはさまざまな制限があり、おそらく見ているものやことは主観と真実の混合物なのだ。たとえば鏡は真実を映すと考えられているが、これほど不確かなものはない。そこに映っているのはやはり不確かな現象にすぎないのだ。木村恒介はそうした不確定性を明示する。鏡はすでに普通の鏡ではない。鏡は呼吸し、不確かなエーテル(光素)を送り続ける。真実があるのだとすれば、オルフェのようにその現象の奥にわけいり、自分でそれを見つけなくてはならない。真実はたやすく入手できるものではないのだ。カメラもまた真実を映すことはない。木村恒介のカメラは風景を映すが、その姿は、鏡の場合とおなじように、現象がいかに不確かであるかをさらけだす。風景は幾条かの光素のすじとなり、そのすじたちはしかしよく見れば光の粒子の集合でしかない。真実をつかみたければ、エーテル(光素)が呼吸するその寸隙をついて「向こう側」へ行き、真理の扉を叩くほかないのだ。 (清水敏男)

 

*19世紀まで光はエーテルという宇宙に満ちた媒質が伝えると考えられていた。
*「エーテル(光素)の呼吸」は宮沢賢治の詩「春と修羅」による。「…れいろうの天の海には聖玻璃の風が行き交ひZYPRESSEN春のいちれつくろぐろと光素(エーテル)を吸ひ…」

 

 

関連企画
トークショー 土屋公雄+清水敏男+木村恒介
2014年10月3日(金)19:00-20:00

IMAGE LIST

撮影:Kohsuke KIMURA