悠々
2006
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概要
作家:堂本 右美
制作年:2015
素材: シートにプリント
プロジェクト: 新日比谷プロジェクト・アートウォール #2015
and we are – HIBIYA『そして私たちは日比谷にいる』
作品を一望できない細長い空間を活かして、絵巻物のような水平に長く続く作品を制作しました。
観る人は歩道を歩きながら絵画の空間を端から端まで旅することになります。
立ち止まってみれば、其処彼処でちがう景色が広がります。
私にとって創造とは、頭の中で完成されたイメージを再現することではありません。
作品との対話のなかで流動的に育っていくプロセスが、イメージを完成させるものだと考えます。
絵の具の滲みがどうあがってくるかは絵の具が完全に乾いてみないとわかりません。
浮かび上がってくる絵の具の形象から、また次の展開が見えてくる。
そのような繰り返しが織りなって、作品との対話の中から物語が生まれてくる、それが私の制作のプロセスです。
ある登山家はこう言っています。自分は登頂することに感動するのではなく、
人跡未踏の岩壁と向き合い、そこに自分が初めて登頂への道筋をつけることに高揚するのだと。
さらに天候、気温、そして風の動きなどによって絶えず変動する状況をからだの五感すべてを使って察知し、
知識と冷静な判断力と駆使して次なるステップを決断していく そのプロセスこそが山登りの醍醐味だと。
この作品のテーマは「未知の世界への冒険」です。人生にはそこに辿り着いてはじめて見える風景があります。
からだのすべての感性を研ぎすまし、知識と情熱を持って突き進む、
そして辿り着いた先には、今まで観たこともないような美しい景色が広がっているのです。
堂本右美